学校指定の単語帳だけで共通テスト英語は足りる?【2026年度本試験を徹底検証】

2026年度共通テスト英語リーディングと、『システム英単語』のミニマル・フレーズ2,445例を照合

この記事の目次
「学校で指定された英単語帳を本当に覚えれば、共通テストの英文は読めるようになるのか」

これは、受験生にとってかなり気になる問題です。

2026年8月現在、当塾に在籍する高校3年生が学校で使用している主な英単語帳は、次のとおりです。

高校 学校指定の英単語帳
都城泉ヶ丘高校 DataBase 4800
都城西高校 LEAP
宮崎第一高校 システム英単語
日向学院 WORD BOX Advanced

今回、直接比較したのは、このうち宮崎第一高校の塾生が使用している『システム英単語』です。

したがって、今回の144項目という結果が、DataBase 4800、LEAP、WORD BOX Advancedにも、そのまま当てはまるという意味ではありません。

この記事は、「学校指定の単語帳で共通テストにどこまで対応できるのか」を考えるための一つの検証として、『システム英単語』を分析したものです。

学校ごとに使用する単語帳は異なりますが、受験生が抱く疑問は共通しています。

毎日単語帳を勉強していても、実際の共通テストを解くと、見たことのない単語や、知っている意味ではうまく読めない表現が出てくることがあります。

すると、次のような不安を感じる人もいるでしょう。

  • この単語帳だけでは足りないのではないか
  • 別の単語帳も覚えたほうがよいのではないか
  • 共通テストには、単語帳で対応できない単語がどのくらい出るのか

そこで今回は、2026年度大学入学共通テスト本試験「英語リーディング」で使われた英単語、句動詞、熟語、複合表現を抽出し、『システム英単語』のミニマル・フレーズと照合しました。

この記事では、分析方法と結果を紹介したうえで、学校指定の単語帳をどのように共通テスト対策へつなげるべきかを考えます。

今回作成した最終データは144項目です。このうちID 1~50を一般公開し、全144項目の公開は当塾生のみに限ります。なお、他の単語帳での分析も当塾生のみに公開します。

1.先に結論

今回の結論:
『システム英単語』は、共通テストを読むための基礎語彙を身につける教材として十分に有効です。ただし、ミニマル・フレーズだけで、共通テストに登場するすべての単語、別語義、派生語、句動詞、熟語、複合表現まで完全に対応できるわけではありません。

2026年度共通テスト英語リーディングの全英文を調べた結果、ミニマル・フレーズだけでは十分な対応を確認できなかった語彙・表現を、最終的に144項目抽出しました。

ただし、これは「144項目をすべて別々に丸暗記しなければならない」という意味ではありません。

単語そのものは知っていても、共通テストで使われた意味が異なるものや、複数の単語を一つのまとまりとして理解する必要があるものも含まれています。

実際の勉強としては、次の順番が最も現実的です。

  1. 学校指定の単語帳をまず完成させる
  2. 共通テストの過去問を解く
  3. 単語帳では対応できなかった語彙・表現を補う
  4. 同じ英文をもう一度読み直す

不足語彙が見つかったからといって、学校指定の単語帳を途中でやめ、すぐに別の単語帳へ移る必要はありません。

2.今回の分析対象

分析したのは、2026年度大学入学共通テスト本試験「英語リーディング」の第1問から第8問までです。

長文本文だけではなく、受験生が試験中に目にする次の英文も分析対象に含めました。

  • 問題の指示文
  • 設問文
  • 正解選択肢
  • 不正解選択肢
  • 見出しやタイトル
  • コメント欄の英文
  • 申込フォームや入力欄の英文
  • 発表用スライド内の英文
  • 表やグラフの項目名

つまり、長文本文だけを読むのではなく、受験生が解答のために処理する必要がある英語を、可能な限り広く調べています。

比較に使用した『システム英単語』の資料は、次の合計2,445フレーズです。

比較資料 フレーズ数
通常のミニマル・フレーズ 2,027
多義語のミニマル・フレーズ 418
合計 2,445
最終的に抽出した不足語彙・表現 144項目

3.どのように照合したのか

今回は、共通テストに出た単語と同じつづりが、ミニマル・フレーズのどこかに含まれていれば「対応できている」とするような、単純な比較はしていません。

次の点まで確認しました。

  • 語義:共通テストと同じ意味で使われているか
  • 品詞:名詞、動詞、形容詞など、同じ品詞で使われているか
  • 派生語:元になる単語を知っていれば、実際の語形まで理解できるか
  • 句動詞・熟語:複数の単語を一つの表現として理解できるか
  • 複合表現:二語以上の組合せから、文脈上の意味を正確に取れるか
判定の基準:
「同じ単語がどこかに含まれているか」ではなく、ミニマル・フレーズを覚えた受験生が、共通テストで使われた意味や用法まで処理できるかを基準にしました。

たとえば、単語帳である単語を一つの意味だけで覚えていても、共通テストでは別の意味で使われることがあります。

また、一語ずつの意味を知っていても、句動詞や熟語としてまとまった意味を知らなければ、文全体を正しく理解できないことがあります。

4.最終的に抽出したのは144項目

共通テストから語彙候補を広く抽出した後、同じ内容の重複や活用形の違いを整理しました。さらに最終レビューでは、同じ文や意味内容が大きく重なる関連語・表現を一つの項目にまとめ、独立した学習項目として残す必要性も再確認しました。

その結果、ミニマル・フレーズだけでは十分な対応を確認できなかったものを、最終的に144項目にまとめました。

ここでいう144項目には、一語だけの英単語に加えて、次のようなものも含まれています。

英単語:単語そのものへの対応を確認できなかったもの

別語義:単語は知っていても、共通テストでの意味が異なるもの

派生語:動詞から名詞、形容詞から名詞などへ形が変わったもの

句動詞・熟語:複数の単語がまとまって一つの意味を表すもの

複合表現:その大問のテーマに合わせて複数語が組み合わされたもの

したがって、144項目すべてが「単語帳に載っていない難単語」というわけではありません。

単語そのものは見覚えがあっても、共通テストで使われた意味が不足しているものや、複数語を一つの表現として覚える必要があるものも含めた結果です。

5.実際にどのような不足があったのか

最終データに含まれる代表例を紹介します。項目を開くと、共通テストでの実際の用例と日本語訳を確認できます。

実例1 知っている単語でも、別の意味で使われる

最終データ ID 3

表現: match「調和する・合う」
共通テストでの用例:
costumes should match the music
「衣装は音楽に合っているべきだ」

matchには「試合」「匹敵する」などの意味がありますが、ここでは衣装と音楽が「調和する・合う」という意味です。


最終データ ID 116

表現: novel「斬新な」
共通テストでの用例:
gives us novel ideas
「私たちにこれまでにない斬新なアイデアを与える」

novelは名詞では「小説」ですが、ここでは形容詞として「斬新な、新しい」という意味で使われています。


最終データ ID 143

表現: rate A higher「Aをより高く評価する」
共通テストでの用例:
student-athletes rated the running shoes higher
「学業と競技を両立する学生選手は、そのランニングシューズをより高く評価した」

rateは名詞の「割合・率」だけでなく、動詞で「評価する」という意味になります。ここでは、目的語の後ろにhigherを置き、「より高く評価する」と表しています。

学習上の注意:
見覚えのある単語ほど、最初に覚えた意味をそのまま当てはめやすくなります。共通テストでは、文脈に合う意味と品詞を選ぶ必要があります。
実例2 一語ずつ分かっても、句動詞・熟語として分からない

最終データ ID 8

表現: campus accommodation / decide on
共通テストでの用例:
thinking about campus accommodation / decided on campus accommodation
「大学が用意する(寮などの)住居を検討している/その住居に決めた」

decideを知っていても、decide onを「~に決める」というまとまりで理解できなければ、文意を正確に取りにくくなります。


最終データ ID 100

表現: come up with a solution「解決策を思い付く」
共通テストでの用例:
come up with ideas / come up with a fresh solution
「アイデアを思い付く/新しい解決策を考え出す」

最終データ ID 106

表現: take advantage of「~をうまく利用する」
共通テストでの用例:
take advantage of its seemingly random nature
「一見すると無作為に見えるその性質をうまく利用する」
学習上の注意:
句動詞や熟語は、構成する単語を一語ずつ訳すのではなく、前置詞や副詞を含むまとまりで覚える必要があります。
実例3 派生語やテーマ特有の複合表現が使われる

最終データ ID 9

表現: respondent(s) / response rate
共通テストでの用例:
85% of residents responded / respondents / this response rate is not perfect
「居住者の85%が回答した/調査に回答した人々/この回答率(調査対象者のうち回答した人の割合)は十分とはいえない」

動詞のrespondを知っていても、調査の「回答者」を表すrespondentや、「回答率」を表すresponse rateまで、すぐに理解できるとは限りません。


最終データ ID 34

表現: raise awareness of / waste management
共通テストでの用例:
To raise awareness of waste management / the theme of waste management
「ごみ管理の意識を高めるために/廃棄物管理のテーマ」

最終データ ID 43

表現: fast fashion「ファストファッション」
共通テストでの用例:
the market for fast fashion
「(流行を素早く取り入れた低価格の衣服を短い周期で大量生産・販売する)『ファストファッション』の市場」
学習上の注意:
共通テストでは、その大問のテーマに合わせた派生語や複合表現が使われます。構成する単語と文脈から、まとまり全体の意味を考える力が必要です。

6.学校指定の単語帳だけで足りるのか

「共通テストに出る単語や表現を、一つ残らず単語帳だけで覚えたい」という意味であれば、学校指定の単語帳一冊だけで完全に対応するのは難しいと考えられます。

しかし、「共通テストを読むための基礎語彙を身につける一冊として足りるか」という意味であれば、十分に学習する価値があります。

学校指定の単語帳の役割:
すべての未知語をなくすことではなく、英文の大部分を理解し、初めて見る派生語や複合表現を推測するための土台を作ることです。

どの単語帳でも、すべての入試語彙を収録するのは難しい

共通テストでは、学校生活、住居、環境問題、図書館、物語、心理学、脳科学、スポーツ科学など、毎年さまざまなテーマが扱われます。

テーマが変われば、その分野で使われる語彙や複合表現も変わります。

どれほど優れた単語帳であっても、すべての年度、すべてのテーマで使われる表現を完全に収録することは困難です。

単語帳の基礎語彙が、未知語の推測に役立つ

単語帳で基本語や語の中心的な意味を身につけていれば、初めて見る派生語や複合表現でも、構成する語から意味を推測できます。

単語帳にその表現がそのまま載っていなかったとしても、単語帳で身につけた知識が無駄になるわけではありません。

二冊目へ移るより、不足部分だけを補う

市販の大学入試用単語帳は、重要な基本語の多くが重複しています。

一冊目が不完全な状態で二冊目を最初から覚えると、すでに学習した基本語を何度も覚え直すことになりやすく、効率的とはいえません。

それよりも、学校指定の一冊を確実に完成させたうえで、実際の共通テストで不足していた語彙・表現だけを追加するほうが、学習量を絞ることができます。

今回の144項目には、設問文や不正解選択肢に登場した表現も含まれています。144項目すべてが、長文本文の理解に同じ程度必要だったという意味ではありません。

7.最も効率のよい勉強法

1.学校指定の単語帳を完成させる

まずは、学校で指定されている一冊を確実に覚えます。

英単語を見たときに、中心的な意味がすぐに浮かぶ状態を目指します。最初から複数の単語帳に手を広げるのではなく、一冊目の定着を優先します。

2.共通テストの過去問を解く

単語帳で覚えた語彙が、実際の英文の中でどのように使われているかを確認します。

意味を知らなかった語だけでなく、知っていたのに正しく読めなかった語にも印を付けます。

3.実際の用例と一緒に追加する

不足語彙を追加するときは、英単語と日本語訳だけを一対一で覚えるのではなく、共通テストでの用例と一緒に覚えます。

英単語だけで覚える例:
match = 合う
用例と一緒に覚える例:
costumes should match the music
衣装は音楽に合っているべきだ

実際の文と一緒に覚えることで、品詞、前後の語との結び付き、文脈上の意味まで確認できます。

4.同じ英文を読み直す

不足語彙を確認した後、同じ共通テスト本文をもう一度読みます。

最初に止まった部分を、今度は止まらずに読めるか確認します。これによって、新しく覚えた語彙が文脈の中で定着します。

単語帳で土台を作り、過去問で不足部分を見つけ、実際の用例とともに追加する。

この往復が、共通テストに対応するための現実的な語彙学習です。

8.分析データの一部を公開

今回作成した最終データ144項目のうち、ID 1~50を別ページで公開します。

単語だけでなく、2026年度共通テストで実際にどのように使われたのかを、用例と日本語訳を並べて確認できます。

不足語彙・表現1~50を見る
当塾生へ:
最終版の全144項目は、塾生向けの学習資料として公開します。共通テスト演習後の復習や、追加語彙の確認に利用してください。

9.今回の分析に関する注意点

『システム英単語』本冊のすべてを比較したわけではない

今回比較したのは、『システム英単語』本冊に掲載されている見出し語、語義、派生語、補足情報のすべてではありません。

あくまでも、手元にあるミニマル・フレーズ2,445例だけを使った比較です。

この記事で「十分な対応を確認できなかった」としている語が、『システム英単語』本冊のどこにも掲載されていないと断定するものではありません。

今回の判定を正確に表すと、次のようになります。

提供されたミニマル・フレーズだけでは、2026年度共通テストで使われた同じ語義、品詞、句動詞、熟語、複合表現への対応を十分に確認できなかった。

10.まとめ

2026年度共通テスト英語リーディングと、『システム英単語』のミニマル・フレーズ2,445例を照合した結果、十分な対応を確認できなかった語彙・表現を、最終的に144項目抽出しました。

ただし、この144項目には、一語の英単語だけでなく、別語義、派生語、句動詞、熟語、複合表現も含まれています。

また、144項目が見つかったからといって、学校指定の単語帳が役に立たないということではありません。

『システム英単語』を十分に覚えたうえで、実際の共通テストから見つかった不足分を追加すれば、2026年度共通テスト英語リーディングの主要な語彙ギャップには、かなり広く対応できます。

学校指定の単語帳は、決して無駄ではありません。

まずは一冊を確実に完成させ、その後に実際の共通テストで不足していた語彙・表現を補うことが、最も効率のよい語彙学習だと考えます。

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