学歴フィルターという言葉をご存じでしょうか? 就職活動において企業側が大学名で学生をふるいにかけることを指します。 つまり、上位大学の学生はそのまま優良企業への就職を実現できる可能性が高まり、下位大学の学生は暗に採用お断りをされる可能性が高まるという現実です。優良企業の採用活動では多くの応募がありますから、学生一人ひとりの長所や強みをみることは大変な労力であり、取り合えず学歴で判断してそこから細かく人間性を見ていこうという流れが採用の現場では行われています。
私がここで強調したいのは、合格し進学した大学によってある程度の就職できる企業のレベル帯が決定するという現実です。大多数の学生は将来、やりがいとスキルを身につけられる仕事ができ、高い給料と充実した福利厚生与えてくれる企業に就職したいと思うはずです。このような仕事は、高学歴の学生が優先して席を取っていきます。
この厳しい現実は、さらに難しい問題を引き起こします。結婚・子育て・将来への貯蓄、親孝行もしたいことでしょう、大人になるにつれある程度の収入は必要になります。良い給料・待遇を求めて30代40代で転職する場合のことを考えてください。
転職活動では「20~30代で培ってきたこれまでの経験やスキルは何か?」ということが非常に重要視されます。つまり、大学卒業後のファーストキャリア(新卒で初めて入社する企業や、そこで行う主な業務)がその後の、20~30代の転職企業の幅を決めてしまうのです。これは、卒業大学で最初の就職企業の幅が決まってしまうのと全く同じ構図です。
仮に大学卒業後、最初の就職活動で失敗してしまい20代をいわゆる「低スキル・低賃金」の労働で棒に振ってしまった場合、スキル・経験の格差が開いていることが原因でそこからの復帰はかなり厳しくなります。したがって新卒で初めて入社する企業でどれだけ良い経験を積めるかということが重要になるのですが、当然多くの上位大生がこの点を重要視しており、そこの学生たちがこの権利を獲得していきます。
学生たちにとって今ここで勉強するかしないかが、30代40代の仕事を決めてしまうと聞いてもピンとこないかもしれません。しかし、周囲の大人たちは「勉強しろと」口すっぱくいうのは、社会に出てもなお学力や経歴で判断されることが多く、経験として「やっぱ勉強って大事だよね」と実感しているからに他なりません。学生は親御さんの保護のもとで勉強に集中できるこの唯一の期間に、可能な限り上位の大学合格を目指すべきだと思います。