【選択肢を増やすなら】中学入学までにやるべきこと【小学生向け】

 日々学生達を指導していく中で、私が特に小学生の内に身につけておいて欲しいと思う能力は読解力です。

 中学生に上がる前に、小学生の内はとにかく読解力を大事にして欲しいと思います。

  • 読解力とは文章を読んで、または会話で話されるその内容を理解するチカラです。

同じ時間勉強して学力に差が出るのはなぜか

 少し考えて欲しいことがあります。なぜ同じ教科書や新しい科目を同じ時間勉強したとして、人により理解に差が出るのでしょうか?

 もちろん好奇心の有無や効率の良い学習方法を知っているかなどの差はあるかも知れません。しかし、本質的にはこの大きな原因の1つに、読解力があると私は強く感じます。自分の中に理解でき、操れる言葉が多ければ多いほど、新しいことに対する理解が早く正確になると思うのです。

 爪という言葉を知らない子は、爪のことを指と答えるかも知れませんし、指をしらなければ手の一部としか認識できません。要するに、言葉の多さで世の中の見え方が全く変わってくるのです。学問を学ぶ上でも同じことが言えます。

 それまでにどんな情報にどれだけ触れてきたかで、その子の読解力や世界の見え方に大きな差がついていきます。もし、ご自身のお子様の学力を長期的な視野に立って伸ばしたいと考えるなら、絶対に読解力を鍛えるトレーニングを小学生の内に行うことおすすめします。勉強の本質は確実に読解力の分野にあります。

学力のゴールデンエイジがあるなら

 ゴールデンエイジという言葉があります。人の運動能力は、子どもの頃のある時期の運動量・運動習慣で決まると言われており、その時期を「ゴールデンエイジ」と言い、6歳から12歳頃までの期間を指します。

 仮に学力に関してこのゴールデンエイジが当てはまるなら、6歳から12歳頃までに習得した言葉や情報の多さでその後の学力が大きく変化するように思います。

 こう考えるのは、読解力のある子は教科書やテキストそして学校の先生の説明なども「高い視点から理解できる」からです。

 多くの教科書やテキストは、その分野の問題がどうすれば解けるのかということの説明と例題+演習 がセットになっていることがほとんどだと思います。読解力が不十分な子の問題は、この「どうすれば解けるのかという説明」をそもそも読み解くことが出来ないことです。したがって、やり方がすぐそばに書いてあるにも関わらずその例題や演習に進むことができません。

 私が小学生の内に読解力を重視するのは、この事態が深刻になるのが主に中学生からだと思うからです。

読解力を鍛える機会は、現実的に中学入学まで

 中学になると英語と数学を中心に科目の難易度や量が一気に増加します。加えて、部活なども始まり時間的にも余裕がありません。

 そのことが原因で中学生にとって、もはや「国語」の中のしかも点数の上がりにくい読解力の分野を重視してトレーニングをすることは現実的にはほとんどないと思います。

 私たちは、どんな学問を勉強するにしても日本語を通して理解する必要があります。国語を通して数学を理解し、国語を通して英語を理解します。

 したがって、読解力の有無は中学入学後の学習効率に決定的に影響を及ぼすと思います。是非とも国語が最重要教科であり、時間的にも余裕のある小学生の内にトレーニングを積んでいて欲しいと思います。

分からなくなったら定義に立ち戻れ!

 
 私が通っていた大学の教授の教えに「分からなくなったら定義に立ち戻れ!」というものがありました。物事が分からなくなったら、使われている言葉の意味を正確に調べてもう一度読み直すことを繰り返せという教えです。
 
 私はこのことを意識してから、新しい物事を理解することがとても容易になったように思います。結局のところ、物事が分からなくなるのはそこで使われている「言葉」を正確に理解していないことがほとんどだからです。
 
 数学が苦手な学生は「関数」や「方程式」の意味について意識したことがありますか? わからない問題に相対した時に、ちょっとした心構え次第で学習に対する取り組み方が根本的に変わるかも知れません。
 
 「分からなくなったら定義に立ち戻れ!!」